「庄司いずみ ベジタリアン・キュイジーヌ・サロンでは、とびきりおいしいベジタリアン料理をみんなで楽しみ、ベジタリアン料理のファンを増やす活動をしています。

 その一環として、サロン主宰のイベントでは、ナビゲーター庄司いずみが、「この人のベジタリアン料理をぜひ知ってほしい!」と信頼するシェフや料理家さんをスタジオに招き、あるいはお店に押しかけて、スペシャルなベジメニューを作っていただく。そんな贅沢でワガママなひとときを、会員のみなさまにシェアしています。

 2月9日には、栃木県鹿沼市の名店、ベジタリアン・フレンチ料理で話題を呼んでいるan riz l’eau(アンリロ)、上村真巳シェフをお招きし、一夜限りのヴィーガンコースを楽しむ会が開かれました。

 

 

 栃木県出身の上村シェフは、都内でフレンチのシェフを経験した後、益子にあったマクロビオティックレストランのシェフに。

 もともと野菜が好きだったこともあり、地元、栃木の野菜のおいしさを伝えたいと、鹿沼の地に2005年、an riz l’eau(アンリロ)をオープン。

 野菜のおいしさを生かしたサラダやスープもすばらしいのですが、野菜だけとは思えない力強いメインディッシュや、美しいヴィーガンスィーツも圧巻です。

 今回はあくまで料理を楽しむイベントなので、いつもの料理教室とちがってレシピの公開や実習などはもちろんありませんが……。

 会員のみなさま限定のイベントのため、目の前で調理してくださり、ちょっとした質問などにも答えてくださるのが素敵なところです。

ご 縁があって、ベジタブル・クッキング・スタジオでも上村シェフのヴィーガン料理クラスを定期的に開催しています。写真はレッスンのひとこまですが、内容は「すばらしい」のひと言です。

 シェフのヴィーガン料理がとびきりなのはもちろんなのですが、野菜はすべて鹿沼の野菜をご持参。器もすべてご持参で、ご自身が納得できる野菜料理を、「妥協なし、そのままの味と形で伝えたい」という意気込みが感じられます。

 圧巻なのは盛りつけで、器の形にあわせた盛りつけを的確に教えてくださるから、シェフの言う通りにすれば、誰もが一流店さながらのひと皿をつくることができる。回を追うごとに熱烈なファンを増やし、レッスンを開くたび即満席に。

 同じ内容のクラスを2回開いても追いつかないほどの人気ぶりです。

 アンリロはランチオンリーのカジュアルなお店、また鹿沼は都内からは少し遠いとあって、「シェフのコース料理が食べてみたい’」という声はしばしばいただいていました。

 そこで今回のイベントとあいなったわけですが……。

 ここはいったいどこでしょう?

 どこの素敵なレストランかとみまごうテーブルセッティング。

 うちのスタジオをご存じの方は驚くと思いますが、ふだんはシンプルなステンレスの作業台が置かれているだけの料理スタジオが、一夜限りのレストランに生まれ変わったのです!

 テーブルクロスも、生の植物も。丸太や材木などディスプレイに使う素材も。もちろんいつものように食材も器もカトラリーも。すべてシェフが持ってきてくださったのです。

 すべてを運び込み、1時間でスタジオがレストランに! お手伝いをしながら、魔法のようなテーブルセッティングにドキドキワクワクしっぱなしでした。

 コース料理の一品目はベジブロスのスープ。

 きのこだけでとったスープに塩で味をつけただけ。それをサイフォンに入れて、フレッシュな野菜を贅沢に、たっぷりつかって抽出します。

 右のグラスは白ワインではなく、そのベジブロスのスープです。

 一口飲んで言葉を失いました。そして、一瞬後には「おいしい!」の大合唱。今まで体験したことのないうまみと深み。

「このスープだけでコースが終了しても、十分満足。何も文句は言いません」と言いたくなるほど。グラス半分ほどの澄んだスープに、お腹も心も満たされたことに衝撃を受けました。

 前菜の盛り合わせ。大豆のリエットとおっしゃっていましたが、レバーペーストのような深みのある味、添えられた野菜もどれもおいしい。

 参加者が口々においしいと叫ぶと、「鹿沼の野菜、おいしいんですよ」とサラッとおっしゃる。料理がおいしいのは自分の力ではなく、野菜の力と。その謙虚な姿勢に痺れてしまいます。

 上村シェフのテリーヌはレッスンで登場したこともあり、その美しさが評判となりましたが、イベントでは別のテリーヌが登場。しかも……。光っています!

 お皿の下に小さなライトを入れて光らせているのですが、その幻想的で美しいこと! 

 前菜は2皿、メインも2皿!

 ひと皿目はこのパートブリック。

 春巻きの皮のような薄い皮で具材を包み、オーブンでパリッと焼くのですが、中身に使った”アルモノ”がお魚のような不思議な食感。

 グリーンのソースが優しい味でおいしくて、夢中になって食べました。

 メイン2皿め!

 ハンバーグのようですが、もちろんハンバーグではありません。そして、大豆ミートなども使っていないのです。

「僕が提供しているのはベジタリアン料理ではあるけれど、『ベジタリアン料理を作ろう』というより、野菜のおいしさを知ってほしい気持ちが強いので、メインもたいてい野菜で作ります」

 そんなお言葉通り、ハンバーグ風もお野菜で!

 なんの野菜で作ったか、ここでは触れませんが、野性的な風味が楽しめ、今までにないおいしさと新食感。シェフのアイディアとわざに驚くばかりです。

 デザートはクレープシュゼット。

 焼きあげたクレープをたっぷりの、甘い金柑のソースでかなり長めに煮込むのですが、クレープが驚くほどモッチモチ。何で作ったか尋ねたら、「地粉と水、塩だけです」とのこと。「地粉、すごいですね」と、ここでも素材の力を強調。決しておごらないシェフにまたまた痺れてしまいました。

「ベジタリアンではない人も、すべての人が日常的にベジタリアンメニューを楽しめるように」。

 そんな私の夢を叶えるヒントは、上村シェフの料理にありました。

 肉料理、魚料理と競うのではなく。

 野菜料理だけのおいしさ、ヴィーガン料理ならではのおいしさが確立されれば、誰もが「今日はベジで」と選ぶように、きっとなる。

 ベジタリアン・キュイジーヌ・サロンの活動はまだまだ小さなものですが、そのイベントに全力投球してくださった上村シェフ、そして、ご参加のみなさん、本当にありがとうございました。

 一流シェフの最高のヴィーガン料理を楽しむイベントは継続予定、もちろん上村シェフにも次回のイベントを打診中ですが……。

 世界的にもトップクラスの実力を誇る、大平哲雄シェフの幻のヴィーガンコースを食べる会が、5月29日19時〜、東高円寺のCocomoにて、人数限定、サロン会員限定で開催予定。楽しみにお待ちくださいね!

*サロンの詳細を知りたい方はこちらでどうぞ。ベジタリアン料理をもっと楽しみたいベジタリアンの方はもちろん、ベジタリアンではない方にこそその素敵さ楽しさを知っていただきたいので、少しでも興味のある方は、ぜひご参加くださいね!